【試乗】SUBARU AWDで雪国の「普通の道」を走る。XV 2.0-S EyeSight編

お昼の後は、XVに乗り換えます。グレードは2.0-S EyeSightで、ボディカラーはピュアレッド。雪の中では真っ赤なボディがインスタ映えしそうです。

今度は十和田湖畔で撮ろう、というカメラマンのリクエストが再び。ちょうどいい駐車場のような場所を見つけましたが、そこは積雪25cmくらいでしょうか。さらに何度か溶けて凍ったようなタイヤの後が凸凹に付いています。

最低地上高はインプレッサSPORTの130mmに対しXVは200mmと7cmの余裕のおかげで難なく侵入。ニュージーランドのような景色をバックに写真を撮ったらこれまた難なく脱出。

SUVたるXVの魅力を乗り始めてすぐに味わうことができました。

十和田湖から小坂ICまではいろんな路面を体験しました。見た目に光っていていかにも滑りそうな路面、完全なアスファルト、雪が溶けかけたような部分、凍った雪が固まった部分など。なかでも、アスファルトが見えているところと雪が乗っているところなど、対向車とすれ違うためには条件のよくないところも走らなければなりません。そこでも、路面状況が変わったことを感じさせることなく加速も減速も不安感一つなく走らせることができます。

途中、小坂町に立ち寄ります。

小坂町は鉱山の町として一時は大変な賑わいを見せたそうで、当然鉱山用のレールが敷かれ、列車が走ったと言います。

その鉄道車両を当時の富士重工業が手がけていたのだそうです。残念ながら小坂鉄道は2009年に敗戦となったのですが、その駅や施設をレールパークとして保存、公開しています。しかも、動態保存してあり、現在も走らせているそうです。

富士重工業のネームプレートを付けたいくつもの車両を見て、明治の繁栄の香りを楽しんではいかがでしょうか。

小坂ICからは高速道路で安代ICを目指すおよそ30分ほどの道のり。ここからはEyeSightを使って、さらにリラックスした運転となります。一度ACC(同じ速度を保ちながら、前走車に追い付くと自動的に減速し車間距離を保ってくれる装置)を使ってしまうと、少なくとも高速道路ではよほどのことがない限り右足に楽をさせたくなります。しかし、実際に「楽をする」のは右足の筋肉ではなく脳だと思います。前走車に追い付いて車間を保つ、緩い上り坂で速度を一定にする、といった何気ない作業に相当我々は気を遣っていたんだな、と気付きます。疲労の少なさは安全にも長い足にもつながります。「そんなの機械に頼るくらいなら電車に乗ったほうがいい!」と言ってる人にも騙されたと思って使って欲しい装置です。

そんなACCですが、発展途上の技術ゆえ、メーカー間による思想、コストのかけ方、どこまで面倒を見てくれるかなどが違って、それぞれに差があるのが現状です。前走車に追いついた時の減速感は、他社のACCに比べEyeSightは相当に運転が上手です。また、そこから前走車がランプを降りいなくなったり、自車が追い越し車線へ出て行った時の加速感もとても自然です。総合的にドライバーの感性にあっているのは、少なくとも国産では一番、世界的に見てもかなりの上位ではないでしょうか。

そうして、何事もなく安代ICでXVは高速を降り、安比高原スキー場へ向かいます。

ホテルのエントランス付近にクルマを止め、ドアを開け降りようとするとスタッフのかたに「滑りますのでご注意ください」と言われ、気付きました。そこは、多くの車両が昼も夜もゴー・ストップを繰り返す場所。路面はツルツルのミラーバーンになっています。クルマが何事もなく動いて止まってくれたので、まさかそんなに滑る路面とは思わなかったのです。

乗り終えた感想は、本当に疲れなかった、です。一般道、それも初めての雪道を主に一日中走って、「やれやれ」という感覚はまったくありませんでした。途中で温泉に入らなくても、この感想は変わらなかったでしょう。

思うに、SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)による安全への安心感と乗り心地の良さ、シンメトリカルAWDによる路面変化をすべて吸収する走行安定性、サイズに見合った余裕のパワーユニット。それに、インプレッサ/XVの身の丈にあうようなフレンドリーなキャラクターもある気がします。デザインは人それぞれ好き嫌いですが、ライバル他社がかっこつけすぎてジャージじゃ乗れないな、と気負いしそうなのに、SUBARUならクルマに負けてない、受け入れてくれそうな親しみやすが「疲れなさ」に一役買っている、と思うのは考えすぎでしょうか?

どんな天候が訪れるかわからない、雪国での性能は十分以上に理解できました。次は、砂浜があったり、スコールや台風などに遭遇するかもしれない南の島などで、SUBARU車の実力が発揮されるシーンを試したいものです。SUBARU広報の皆さんにはご検討いただきたい所存です。

(撮影:前田 惠介/文:clicccar編集長 小林 和久)

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