【ブリヂストン・ポテンザS007A試乗】レグノよりの乗り心地を確保しながらも、ポテンザの名に恥じないパフォーマンスを発揮

数あるタイヤブランドのなかで、ブリヂストンのポテンザは格段のスポーツ性能を誇るタイヤとして多くの人に知られています。ポテンザの歴史は1979年のRE47からスタートしますが、なかでも1984年に登場したRE71はポルシェ959の純正タイヤとして採用されたこともあり、その名を世界にとどろかすことになります。

長らくREという品番を使っていたポテンザシリーズですが1998年にS-02というSという品番を持つシリーズが追加されました。REシリーズは走りを究極的に追求したリアルスポーツ、Sシリーズはコンフォート性も持ち合わせるプレミアムスポーツという棲み分けが行われました。

そのSシリーズの最新作であるS007Aが登場。ブリヂストンの所有する栃木県のテストコースにて試乗会が開催されました。S007Aに「A」の文字が付くのは、新車装着タイヤと区別するためで、呼び名としてはエスゼロゼロゼブンまでだといいいます。

近年、クルマの動力性能、シャシー性能は飛躍的に向上しています。とくにプレミアムカーの動力性能やシャシー性能は一昔前のスポーツカーのそれを遙かにしのぐほどのものとなっています。クルマの性能をきちんと確保しながらも、プレミアムカーに求められるコンフォート性を確保しなければならないのが現在のこのクラスのタイヤの使命です。

試乗はウエットハンドリング路、ドライハンドリング路、高速道路を含む一般道の3ステージでした。比較試乗ウエットハンドリング路、ドライハンドリング路では先代モデルにあたるS001との比較試乗がメニューです。まず、ウエットハンドリング路でジャガーXEを使った試乗を行いました。ウエット性能についてはS001と大きな差は感じませんでした。唯一、違うなと感じたのはトラクションコントロールなどの制御が入ったときの挙動がS007Aのほうが緩やかな印象でした。

ドライハンドリング路での試乗では明らかな違いを感じます。試乗車はトヨタ86とアウディA4です。コース上にはパイロンは設けられていませんでしたが、自分で設定した100km/hでのスラロームでは、S007Aのほうが高い安定感を示しました。直進状態からステアリングを切ったときの反応も鋭くていいのですが、右に切った状態から左に戻すときの反応の高さもかなりの鋭さを持っています。右に転舵した状態から左に転舵するということは、タイヤにとってはまったく逆の仕事をさせられるわけですから、じつはけっこう大変なことをしているわけです。こうした状況での安定性の高さには関心させられました。

試乗コースは横長で奥まで行って、右回りのヘアピンを回って上りS字、その後ストレートとなるのですが、S001とS007Aではストレートに入るときの速度が5km/h程度違います。コーナリング時の安定性も高く、コーナーでのグリップが高い感覚があります。その後のストレートでのステアリングの座りもよく、安定感にあふれたフィーリングを感じました。

一般道の試乗はまずメルセデス・ベンツ E200で行ないました。E200とS007Aの組み合わせは非常にいいものでした。クルマの動きを素直に引き出すとともに、しっかりとしたコンフォート性も確保しています。ただ、E200の場合は純正タイヤがランフラットですから、タイヤに頼らない乗り心地を確保する足まわりを作っています。そこにランフラットではないS007を履かせたのですから、快適な乗り心地を発揮できてあたり前でしょう。

もう1台の試乗車、レクサスIS300hではタイヤが硬いという印象がありました。路面の継ぎ目などを敏感に感じる印象がちょっと残念だったのですが、IS300hは指定空気圧が250kPaと高くなっていますので、こうした印象は仕方ないかも知れません。おそらく、純正装着タイヤはこの高い空気圧を前提とした乗り心地重視のタイヤを履いているはずです。メルセデスベンツ、レクサスどちらもハンドリングや直進安定性には不満はなく、しっかりとしたフィーリングを示してくます。

S007Aは、乗り心地をタイヤに頼っていないクルマとのマッチングがいい。そうしたクルマへの装着では、プレミアムカーの乗り心地を確保したうえで、ポテンザブランドのもつハイパフォーマンス性能を十分に満喫できることでしょう。

(文・写真:諸星陽一)

この記事もよく読まれています

あなたにおすすめの記事